満員電車に箱詰めして出荷

満員電車に箱詰めして出荷

スーツを着たマネキンの行進

白い部屋で働く歯車

ビルの隙間に落ちる夕日


繰り返し朝が来て

繰り返し夜になり

そしてまた朝が来て

社会生活営みながら

人のふりして生きている


野菜生活飲み込みながら

人のふりして生きている

夕日に染まった公園

夕日に染まった公園

友達に手を振って

また明日

坂道をチャリで下って

夕飯のにおいのする町へ


ノスタルジア

そんな思い出ないのに

自分が経験したことのように

なぜか懐かしいんだ


想像と現実の記憶

境界が曖昧になってゆく

夏の夕暮れ

架空の思い出に足を浸しながら

都合のいい部分だけ

都合のいい部分だけ切り取って

黒を白く染めて

物の形を歪めて

嘘で塗り固めて

称賛の声を求めて

偽りの美を垂れ流す


小さな箱庭のお姫様

鏡の前でひとり呟く

「世界で一番美しいのは、だあれ」