本当に欲しいものだけ

本当に欲しいものだけが手に入らない

きっとそれは勘違い


手に入れられないから

渇望し続け

欲求が積み重なり

感情が増幅し


手に入れられないが故に

思い続ける時間が長すぎるが故に

「本当に欲しいもの」であると

誤認しているだけ


だからこれは必然の結果

本当に欲しいものだけは手に入らない

あなたのいない日々に

あなたのいない日々に

何の意味があるんだろう

見知らぬ人が行き交う街で

そんなことを考えている


けれどもしあの日に戻れたとして

あなたのいる日々に

何の意味があるんだろう

あなたは私を選ばない

私はあなたに固執し続け

刹那の悦びと不毛な時を

退廃的に貪るだけ

望んでもいないのに

望んでもいないのに産み落とされた って

被害者面して生きてきた

産まれたくなんてなかった

生きなくなんてなかった

そんなふうに

文句ばかり抱えながら生きてきた


だけどきっとそれは違う

誰かのせいなんかじゃない

死のうと思えばいつだって死ねた

これまでそれを選ばなかったのは

紛れもなく自分自身の選択


生き続けることを選んだ

たとえ蕀の道だとしても

死を願わないことを決めた

たとえモノクロの世界だとしても

誰かに生かされるのではなく

自分の意思で生きてゆく